○ 全農イベントの開始と一周年
サービス開始から、記念すべき1周年を迎えたのを機に
全農とタイアップしたイベントがスタートしました。
これは毎月一度、最後の課金可能期間である'05年3月末まで
趣向を凝らしながら1年続き、ゲームを盛り上げてくれました。
毎月全農から産地直送の食べ物がプレゼントとして提供され
ゲーム内では、NPCから出されたヒントを元に課題アイテムを提出
引き替えに、プレゼント応募キーワードを得られるスタイルです。
最初は大いに盛り上がり、中盤からは少々飽きられましたが
総合的にはそう悪くない企画だったように思います。
最初から実装予定だった部分を今すぐ実装というわけにもいかず
かといって、何も無いままユーザを放置というわけにもいかず
苦肉の策を練る中で、その時運営の出来る最善を尽くした…
そんな感のあるイベント内容でした。
完成品をバラ撒くだけのイベントには限界があり、苦情もあります。
「やる事」を与えるのが大事だと、そこを重視したのでしょう。
地球産という独立したカテゴリが追加され、種も次々追加され
栽培、合成、提出、飾り付け、と一通りの事が出来ました。
地球産は他の野菜との合成が出来なかったのでレシピも限られ
色々な意味で取って付けたような浮いた感はありました。
しかし、また爆発的にアイテムが増えたところで置き場に困ります。
レシピ数は少ないものの、季節感ある野菜でイベントにも使われ
他の種との合成が出来ないため、ダンスで品質操作する必要もあり
マッタリと攻略するとちょうど月に一度のペースで遊び尽くします。
同じパターンの繰り返しに飽きもしましたが
チャットがメインの場所になっている事を、ある程度受け入れていた
後期のこすもぐプレイヤーには、程良い難易度だった気もします。
全農イベントは始め、驚きをもって受け取られました。
先細りしてゆく姿しか浮かばなかったこのゲームが
唐突に予想外の展開を見せ、存続の意思をハッキリ見せたのは
こすもぐを愛する現役プレイヤーにとっても意外な事でした。
常にサービス終了の不安を持ちながらプレイしていたので
1周年のイベントが派手であればある程、不安を払拭する材料になり
「終了しないのかも」と、心にゆとりを生んでくれた気がします。
現実とゲーム世界が連動した事も、不思議な高揚感がありました。
タイアップというのは、言ってしまえば「大人の事情」です。
乗せられるのもシャクに触るけど、乗ってしまえば楽しめる。
企業から作為的に動かされる嫌な感触はあっても、良い部分もあると思います。
数人に野菜が当たった所で本質的な問題点は解消しないと
批判も多くありましたが、美味しい物はいつでも魅力的です。
何かが「当たる」というお得感もモチベーションを上げてくれます。
桃の写真を見て「美味しそうだなぁ」と思い
マンゴーの写真を見て「当たったらどうしようかな」と想像するのは
予想していた以上に、野菜にリアリティを付加してくれたようです。
実際私も料理屋さんで「だだ茶豆」や「フルーツトマト」を注文しました。
ゲームの中のものが現実と連動するのは、不思議な感慨があります。
小さな子供がテレビのキャラクターのヒーローショーを見て
現実に居るんだ!と思う感慨に、少し近いのかもしれません。
最後に大抽選会で、改めて野菜や果物が配られる事になり
この時も「配れば喜ぶと思ってるのか」という批判がありました。
しかし、終了はかなり早い段階から決まっていたと考えるのが妥当で
もはやゲームの集客にもならず、野菜の広報にもならない時まで
尻すぼみにならずに、この全農イベントが続いた事は
ユーザへのサービス精神として、評価すべき事と私は思いました。