○ 連続レアアイテムイベント

この頃から、悪しきイベントの連鎖に苦しめられました。

ハロウィンを踏襲したスタイルがしばらく続き
少量の合成レシピと大量の期間限定グッズが追加され
backpackもclosetも、いっぱいいっぱいの状態になりました。

七夕イベントやハロウィンの項でも触れましたが、大多数の人は
限定販売と聞くと、それだけで購買意欲を刺激されます。

季節イベントらしいものを飾ってお祭り気分を演出するのは
定番の楽しみですし、ユーザイベントのキッカケにもなるので
このやり方を一概に悪いものとは思いません。

サンタペドロ巡りなどは、スタンプラリーほどの高揚感は無く
RPGのお使いイベント的な面倒さも少し感じましたが
季節感があり、クリスマス気分を盛り上げてくれました。

しかし手持ちが50、closetが200、この時バブーが2匹までで
一番多くても15×2ですから、1人が持てる荷物は最高で280。

全てのレアを買ってゆくとイベントがあと数回続けば破綻して
他のことが何もできなくなるのは目に見えていました。

特に初期から居た人には深刻な問題です。
想い出の品は増えていく一方で、基本野菜の種も外せません。

FS独占の是非も繰り返し議論され、いさかいの種になっていて
一時的でも、なるべくしたくないと思っていました。

家を博物館のように全てのアイテムを見れる状態にしたいと
レアを全部保存しておいた人は多かったのではないでしょうか。

私も最初はそう考えていたので、家のレイアウトを犠牲にして
あらゆるアイテムをclosetにしまっていましたが
この爆発的なレア増加で、諦めてほとんど処分してしまいました。

毎日、次はどれを捨てようかと悩む所から始まり
野菜を育てるたびに地面に一旦種を置いたりする繰り返しが続き
いつでも荷物数だけのせいで行動が制約されていました。

そしてこの時期とうとう音を上げ、2アカ目を購入するに至りました。

複数アカを持っているだけで陰口を言われていた頃がありましたが
これは初期からの、特殊な価値観が関係していたと思います。

不都合な真実は隠されているもの、素直に何かを信じるのは愚かなこと、
批判的な意見を言う人の方がモノを見る目があるように見えてしまう
そんなネット世界風の空気が、こすもぐの中にもありました。

不具合だらけのゲームに2アカ分のお金を払う事は愚かだと言われました。
私も、荷物数の制限で楽しめないのはシステムが悪いのであって
それを甘んじて受け入れる複数アカの購入は売る側の思うつぼだと
意地のような部分で、ずっと抵抗がありました。

リフレッシュが始まるまでは、村に近い便利な場所は
3枚土地ですらことごとく埋まっていましたから
土地をいくつも持つ人を目障りに感じる人が居たのも
あの頃のこすもぐでは自然な流れだったかもしれません。

しかしこの頃は、もう土地もガラ空きでした。
過疎化で匿名性も薄れ、別キャラを隠してもどうせ推測されますし
別人を演ずるような必要性も無くなってきていました。

過疎化後残った人は、ダメゲーと呼ばれてもこすもぐが好きな人。
そんな感覚がプレイヤーの間にあったので
かつての縛りは薄れ、複数アカを持つ人も一気に増えました。

この時以前にも増してclosetの容量UPを求める声が高まり
声を掛け合い、サポートに嘆願しようという話も出ました。

私も個人的に1〜2度、友達からの誘いでまた1度
渾身のメールをサポートに送って、善処を祈っていました。

「村一番戦うモテモテシマイモ」など細かい属性表示があり
その操作も楽しみのひとつであるこすもぐの場合
同じイモでも、名前の組み合わせは数え切れないほどあります。

その上野菜だけでも50種類以上、品質は2000近い段階数。
傷薬×30のように、同じ項目に置くことは不可能ですから
なおさら普通のネトゲより持てる荷物の数を多くしてくれないと
このゲーム独自の楽しみを、存分には味わえません。

気ままに野菜を作る楽しみも、家具の配置を考える楽しみも
今我慢している部分は、1人当たりの荷物数が増えるだけで
そのほとんどが解決するような気がしていました。

遊び方の選択肢、組み合わせの可能性を与えてくれる
基本部分での実装を、長くプレイヤーは求めていましたが
イベントで与えられたのは一時的に見て楽しむためのアイテムばかり。

新しい野菜調査員の実装で種の種類も増え
待ち望んだ「やる事」が増えて嬉しかったはずなのに
期間限定品を売るイベントの間に挟まれる時期だったことで
やる事が増えたことが、一層荷物の問題を浮き立たせました。

こすもぐらしい楽しみを、運営自らが否定するような内容と
小手先の実装でお茶を濁されているような不快感とで
運営に対しての不満が、また増してきた時期でもありました。

バレンタインで実装されたカカオは最初、期間限定という発表でしたが
その後変更され、いつでもレストランで買えるアイテムになりました。

その後の節分イベントでレアを持つ変色バブーが現れましたが
ハロウィンとは違い、皆がこぞって欲しがるアイテムというわけでもなく
「頑張っても無理でしょ」と思える極端に少ない数だった事もあってか
競争からお祭り騒ぎへとシフトして、良い雰囲気で楽しめました。

ハロウィン、クリスマス、お正月とバラ撒きイベントが続き
期間限定というスタイルが与える悪影響に対しての苦情が相次いだ事で
運営がここで少し、方向修正したような印象もありました。

ただ、ひとつ振り返ると逆に思うことがあります。
ゲームの制作者が意図した物か、結果の産物かは分かりません。

持てる数が少ない事で、厳選しなければいけなかった事で逆に
一つ一つのアイテムの、重量感のようなものが生まれました。

めんどくささが想い出を生み、選ぶ事でその意味あいが増し
お金があまり意味を成さなかった、この世界の価値観を後押しし
金銭的な価値では無く、想い出、思い入れの度合いの高いものが
こすもぐの中では、特に価値を持つようになりました。

こういった部分が他のMMOとのイメージの差を生み、ファン達に
「こすもぐじゃないと嫌だ」と言わしめたのかもしれません。