○ ハロウィンイベント

久しぶりの公式イベントで、とても盛り上がりました。
ですが、思い出すと嫌な気持ちも湧いてきます。

このイベントには大きく分けて3つの要素がありました。
一つは期間限定販売のレアアイテム追加
二つ目はカボチャを使った合成レシピの追加
最後は、GMによる変色バブーのリリースです。

各地のペドロが期間限定アイテムを販売しましたが
従来のこすもぐ的なデザインとは少し違いました。

沢山追加された限定品は、どれも可愛らしくサイズも大きめで
人目を引く華やかさがありましたが、浮いた印象もありました。

売れ筋商品らしい魅力があった反面、厳しく言えば
急作りの安っぽさが少しあるようにも思えたのです。

個人的には、全体からにじみ出るこすもぐの世界観が好きで
無意味としか思えない細部へのこだわり
プレイヤーを突き放して進むような意味不明の形
こすもぐの景色によく馴染む、少しマットな色合い
そんな要素を持つ、古くからのアイテムに魅力を感じていました。

言ってみればレアアイテムは月9の主役を張るアイドルで
元あったものは、味のある演技派の役者と言った感じでしょうか。

この世界の生みの親が運営から離れたらしいと聞いていたので
世界観が変遷してゆく事に「やっぱり…」と寂しさを覚えましたが
良い飾り付けが農協新聞で紹介されるという告知もあって
実際盛り上がりましたから、それもまた仕方ない事として受け入れて
私も皆と一緒に、新しいアイテムを飾って楽しみました。

特に家などは、過疎化すると農協の発展もままならなかったので
こういった楽に入手できる形での追加は嬉しく思いました。

カボチャを使ったランタンも、見た目の可愛さ
マイナス品質の名前が似合うアイテムだった事などで
久しぶりのレシピ探しを純粋に楽しめました。

ただ変色バブーについては、苦しさばかりが先に立ちました。

限定色のバブーが特別なアイテムをbackpackに持っていて
元から限られた数しか無かったので、争奪戦になったのです。

晒しスレから波及したギスギスした空気が強かった時期で
現地には言葉に表しようの無い、とても嫌な雰囲気がありました。

散歩のアイテム交換を利用してバブーに受け取らせるのですが
混雑時は特に、バブーがフリーズしてしまったり
既にどの変色バブーも交換済みでレアを持っていなかったりと
ストレスの溜まる作業の繰り返しでした。

そこへ、バブーを捕獲してアイテムだけ取る人が現れたり
あの人はもういくつも持っているらしい、と話し声が聞こえたり
入手出来ない人の感情を逆撫でする要素が加わってしまい
少し収まりかけていた2chでの対立も再燃してしまいました。

かつて無かった極端な「早い者勝ち」の状態に疲れ
2chで攻撃を受けるのではないかという恐れもあり
参加はおろか、顔を出す事すらしないプレイヤーも居ました。

私がこすもぐにハマったのは、自分で何かを生み出すことができ
その結果ではなく、経過を楽しめる構造になっていたからです。

だから正直言って、私はレアアイテムにあまり興味がありません。
想い出も使い道も無い完成品をバラまくことは、こすもぐを
ただの飾り付けゲームの地位におとしめてしまう気がします。

一度は空気の悪さと自分自身の興味の無さから
レアアイテム集めも諦めようと思いましたが
サイト用にNPCへの売値データが欲しくて、こだわりました。

それまでは気軽に込み入った頼み事を出来る友人のうち
誰か1人そのアイテムを持っていれば事足りたのですが
多くの仲間が去ってしまい、残った親しい仲間たちは
揃いも揃って、このイベントに不参加を決めてしまい
結局は、自分で手に入れる決断をしました。

この時ほどサイトの閉鎖を真剣に考えた事はありません。
一般公開を決めた時から少しずつ閲覧者が増えてきて
義務感も、抱えきれないサイズに膨らんできていました。

こんなアイテムの売値一つで、こんなストレスを感じるなんて。
私が一つ手に入れれば、誰か1人が手に入れられなくなるのに。
もうバカバカしい。サイトも誰が見てるか分からないのに。
見てる人が、私を自慢厨と罵っているのかもしれないのに。

こんな時期に火に油を注ぐようなイベントを開催した運営に対してさえ
怨みのような気持ちを持ち、自己嫌悪も感じていました。

でも、なんだか悔しくて悔しくて閉鎖できませんでした。
何がそんなに悔しかったのか、自分でもよく分かりません。

この時サイトを閉鎖するのは、イジメを恐れて転校するような
テロを恐れてイデオロギーを隠すような、そんな屈辱感があると
心のどこかで考えていたのかもしれません。

老舗サイトの多くが、立て続けにこの時期に閉鎖していったのは
雰囲気の悪さだけが理由というわけではありませんでしたが
他人事とは思えない閉鎖の連続に、どうにも悔しい気持ちでした。

このイベントは、新しいスタイルの楽しみも生みましたが
プレイヤーの間に新たな気まずさの種を生み
ここから先の、運営の体質への強い抵抗も生みました。