○ 24時間イベント
ユーザイベントの集大成とも言えるのが、これです。
名前の通り24時間テレビをもじったものですが
時間帯ごとによく練られた企画が用意されており
24時間参加し続けても、飽きずに楽しめるものでした。
広く告知されており、準備に参加したプレイヤーも多かったため
課金するほとんど全ての人が、いずれかの時間帯に参加しました。
尻すべりの大会など、こすもぐならではのアホくささが楽しく
アフロのキャラクターでビーチに集まる企画など
ただそれだけの事なのに何故か笑いが止まりませんでした。
まだ新しいコミュニティは完全なものではなく
派閥的な距離感が色濃く残っていた時期でもあったので
黄色Tシャツを着ても、様子見だけで帰ってしまう人も居ましたが
イベント全体は大いに盛り上がり楽しい想い出が出来ました。
この時大活躍したのが、体験版です。
規約違反かどうかは微妙ですが、本来体験版は新規獲得のためにあり
課金プレイヤーが、イベントだけのためにキャラクターを作るのは
運営側にとっては歓迎できない事だったと思います。
でも、体験版はこの頃から様々な用途で使われるようになりました。
アフロで集合するため、私も体験版で新しいキャラを作り
引退した人も、この大規模イベントに参加するために利用しました。
その後も農協の発展や、他サーバのイベントなどに参加する時
体験版を活用し、1アカウントでは出来ない場面を克服しました。
のちに体験版の使用は一人1回まで、と公式に告知がされました。
皆、少し後ろめたさを感じつつ複数回利用していたので
その告知は、ある程度の抑止力にはなりましたが
新規の人が少なく、利用がプレイヤー全体の利益に繋がる場合も多く
その後も課金ユーザに様々に利用され、黙認されていました。
企画と準備をした人たちは、寝る間も惜しんで働きましたが
段取りの悪さを指して、心ない批判を口にする参加者も居ました。
そんな野次の声は疲れたスタッフの態度を硬化させ
その後のユーザイベントにも大きく影響する事となります。
かつて引退組、残留組と分かれて対立する事もあった人からの批評は
それまでサーバを牽引するイベントを提供してきた古参たちを
傷つけ呆れさせ、別れを決定的にしました。
その後は、残った古参たちは批判や詮索を遠ざけて
新たなコミュニティ作りを邪魔するものを警戒するようになり
引退組は居場所を完全に失い、ふらりと戻る事も少なくなりました。
私の住んでいたパークは、ごく初期から大規模なイベントが多く
巧みな話術でイベントを盛り上げる逸材に恵まれていました。
のちに他のサーバでも才能を発揮する人たちが多く生まれましたが
パークでの成功を踏襲する事も多く、その事は企画者の誇りでした。
そういった誇りを守り、人を楽しませる充足感だけを報酬として
私財と労力を惜しみなく投じたイベント作りをしてきた彼らは
批判的な声に過敏に反応するようになってゆきました。
この頃には沢山の人が、誰かがそれをしてくれるのを当たり前と思い
イベントはまだか?内容が今一つ、と口にするようになりました。
当然ながら、イベントを企画する義務など彼らには無く
本来は運営から与えられて良いはずの、プレイの楽しみを
ユーザがお金を支払って生み出している事がまずおかしいのですから
サービス精神を行動に変える人を批判するなど、とても不条理です。
楽しさを残した反面、そんな不条理さを際立たせたこのイベントの後
しばらくパークには大きなイベント企画は無く
公式イベントも無く、目標の少ない退屈な毎日が続きました。