○ ドロケイと当時のイベント

ドロケイはパッチとは無関係のユーザーイベントですが
この頃のこすもぐにとっては、特別な意味のあるものでした。

ぼちぼちリーダーシップを発揮し始める人たちも現れた時期で
ゲーム内の雰囲気はまだまだマッタリしていたものの
「何かやってみたいけど出しゃばっちゃっていいの?」という
周囲の目を気にする必要も、生まれてきていたように思います。

ごく早い時期から、各惑星の中間地点であるシティを中心に
一部の人が集まりお店を出し始め、そこからバザーが定着してゆき
各サーバごとに曜日や日にちを設定した定期バザーへと発展しました。

率先して周囲に声をかけたり意見をまとめる人は居ましたが
誰が主催というわけでもない、自然発生的なものが主体です。
まだ珍しかった発見アイテムや家具がオークションにかけられたり、
小さなグループがバザー会場でミニゲームを開催したりもしました。

お金が無さ過ぎて、他の惑星へ行くのも皆が控えていた頃の話です。
その上、FLや看板もまだまだ普及しておらず
友達同士、村民同士の交流はどうしても小規模でした。

それまでイベントと言えばバザーやオークションだったのですが
スキルやレシピ発見の早さを競い合う事には、虚しさもあります。
バザー会場で裸になったり、ヌシーを掲げて練り歩いたり
尻すべりなどの即興イベントで盛り上がる事もありましたが
やはり「一部のグループがやっている」という感もありました。

そんな中で、念入りに練られたルールブックと日時をWeb告知し
ご近所単位を超えて広く参加者を募集したドロケイは
今でこそ当たり前のやり方ですが、とても注目を集めました。

いくら人より先んじて攻略をしても、いずれは追いつかれます。
自慢げに新しいアイテムを掲げる人に、嫉妬が集まる事もあります。

新人も廃人も同じ条件で、偶然に生まれる交流を楽しむ方が
新しい交友関係を増やしてくれたり、想い出を作ってくれたり
色々な意味でプレイを楽しくする要素を増やすのだと思います。
そういうこすもぐ的スタイルの前例を作った意味でも画期的でした。

シティに点在するFSを陣地にして、バブー捕獲に使うカゴを投げ合い
趣味で選ぶため色違いがあるTシャツでチーム分けするのですから
運営側が意図した使い方からは、かけ離れたものだったと思います。

漫然と、新しいパッチが来たら何か楽しい事があるかな?と考え
運営側から遊びの要素を与えられるのを待つ人が多い中で
限られた実装アイテムを並べてみて、発想を転換させて
「●●が無い」という考えを「●●がある」に変えたのですから
体制に反旗を翻す、レジスタンス的なかっこよさも感じました。

頭にカゴをかぶせられて動けなくなった間抜けな姿や
コミカルな動きで、走りたいんだけど走れないジリジリ感は
こすもぐ特有のマッタリ感があって、思わず吹き出してしまいます。

そういう副産物も、イベント成功を後押ししたのかもしれません。