○ ベータテストの概要
βテストは2003年3月14日〜27日までの短期間でした。
完成度はプレイした第一印象で「10%未満」といったところ。
不具合の無い箇所など無い!というほど、全てがバグだらけでした。
しかも公式サイトもまだ、ほとんどのページが工事中。
テスター応募のページさえリンク切れしていて
isaoに登録が必要な事や、表示される月額料金は無視していい事や
そんな情報すら与えられないままのスタートで、さすがに困りました。
ENIXとSQUAREの合併で、ゲームがリストラされたと聞いた事があります。
両社が企画していた似たようなゲームを整理したり
開発が大幅に遅れている企画や、採算が合わなそうな企画を見直したり
そうやって作りかけのゲームが開発中止になってしまったという噂です。
こすもぐは当初の計画よりも開発が遅れていたらしいので
中止される企画の候補に上がっていたのかもしれません。
合併の日までに世に出せなければ中止とでも言われていたのでしょうか。
憶測の域を出ませんが、常識はずれに低い完成度で世に出た事も
極端にβ期間が短く、無理に4月1日より前にサービス開始した印象も
MuuMuuらしさが突然薄くなった事も、そう考えると納得がゆく気がします。
頻繁にサーバがダウン、急に修正パッチをあてるためのメンテに入ったり
実質的なプレイ時間は100時間も無かったと思います。
メンテが明けても公式の告知が無いので、2chのスレで情報確認するか
何度も何度もログインして復旧を確かめるかのどちらかで
そのために余計にログインサーバに負荷がかかって復旧が遅くなったり
同時に殺到したユーザに耐えきれず接続が切れたりしました。
イモの収穫の様子は見えるのに人が見えない事がありました。
テストのために、地面が覆い尽くされるほどバブーが湧いた日がありました。
トロンやヌークなどの幻だったバブーも試験的に現れました。
MAPの読込みが遅く歩いた先から少しずつ地面が見えたりしていました。
右クリックで出るコマンドも今とはかなり違いました。
まだ使用できないコマンドは選択できないグレーの文字でした。
定期メンテの前にはカウントダウンが青い窓で表示されましたが
あんな風に「現在●●に障害が出ています」などの告知が出ました。
今よりも管理者・制作者の存在を少し身近に感じました。
製品版ではパークやキッスなどサーバを選択できるようになっていますが
ログインする時に自動で決まるため、友達と別サーバになったりしました。
根本部分の修正が多かったせいか、ほぼ毎日データリセットされました。
メンテが明けるとキャラクター情報が消えていて
名前や顔を選ぶところから再度スタートです。
どうせすぐに消えるからなのか、使い捨ての珍名さんがいっぱい居ました。
とにかく土地に置いたアイテムの処理が不完全なのが目立ちました。
これに関しては特に、どこか修正すると新たな問題が発生する繰り返し。
他人が土地にアイテムを置けたり、それを誰も拾えなくなったり
修正したらしたで、自分で自分の土地に物を置く事も出来なくなったり。
アイテムが突然消滅する事も多かったので
大切な物は土地に置かずbackpackに入れて下さいと告知されたりしました。
野良バブーが地面のアイテムを拾ってしまうことがありますが
その処理が完全でなく、土地のアイテムも食ってしまっていたようです。
メンドリが無限に増える有名なバグがあったのですが
私は偶然発見してから何度か面白がってやってみましたが
これが理由でアカウントを取り消された人も居たと聞いて驚きました。
タマゴを産ませて、またログインしたら勝手に増えているんですから
プレイヤーに責任があるとも思えないのですが・・・
とにかく毎日がそんな風で、接続障害やバグにストレスを感じる反面
私は連続する変テコな事件が楽しくて仕方ありませんでした。
出来の悪い子ほど可愛いと言いますが、そういう心理でしょうか。
笑っちゃうくらいの不具合の多さが不思議な連帯感と高揚感を生み
皆でアイテムを掲げて歩くだけで、お祭りのような楽しさがありました。
今もその頃のお祭り騒ぎを懐かしむ人が沢山居ます。
またこすもぐが、あの頃のようになるなら戻りたいと語る人も居ました。
でも思い出話は、その場に居なかった人に疎外感や退屈感を与え
「あの頃は良かった」という物言いは、時として人を不快にさせます。
その頃の盛り上がりは偶然に生まれたものだから戻りません。
でも、何か新しいモノが生まれる瞬間に立ち会った人間が
思い出話をしたり、その成長ぶりに口出しをしたいと思うのは自然なこと。
あの頃の楽しさと、過疎化してからのこすもぐはそれぞれ別のモノとして
どちらの記憶も大切にしていきたいと私は思っています。